現在(2014年1月)、日経新聞の紙面に「働きかたNext」という特集が1面の連載で特集されています。そして本日の同特集でブラック企業の代表事例のような形で牛丼の「すき家」が紹介されていました。
ブラックの代表として飲食が出されてしまうのはなんとも複雑な気持ちですが、仕方ないといえば仕方ない気もします…
飲食業がブラック化してしまう一つの原因として注目したいのが、低価格競争。
すき家など牛丼業界の話で言うと、ここ数年で280円とか290円等、10円安く売るような低価格競争が行われていました。
この低価格競争、実は従業員にも非常に大きな影響があるので飲食店従業員の人はぜひとも考えてみてください。
低価格=薄利
一番シンプルな問題として売値を低価格にすればするほど利益が減るという話。
例えば牛丼を290円で販売している店舗を想像してみてください。
その牛丼の原価(肉やご飯などの材料費)が100円だったとします。
そうすると牛丼が1杯売れると
290円(売値)−100円(原価)=190円(利益)
190円の利益が取れます。
お店では牛丼が1日に1000杯売れるので一日190,000円の利益が出ます。
そこから280円に値下げします!となると
280円(売値)-100円(原価)=180円(利益)
となり、同じ1000杯180,000円となり1日あたり1万円の利益減となります。
まず店にとってここの利益が下がってしまうのが痛手です。
※実際には安売りをすることで販売数が増えることが狙いなので同じ販売数になることはないかと思いますが…
利益から必要経費を引いていく
さて「19万円の利益が一日に出れば大儲けじゃないか」と感じる人もいるかと思いますが、そこから必要経費が引かれていきます。
牛丼のお肉を煮る鍋を温めるためのガス代、店舗の各種機器を動かす電気代、調理をする際に使用する水道代、そしてお店の土地代…などなど様々な経費が引かれていきます。
そしてお店を回すのに必要な人の人件費(給与)もここから支払われるわけですね。
その他にも例えば広告費だったり、人材を募集の費用など店を運用するのに様々な費用がかかっていて最後に手元に利益が残るのです。
自分たちでコントロールできる人件費
会社としては最終的に利益をとらなくてはいけない。
ただし、光熱費や土地代は支払わなくてはいけない…となっていくと自分たちの裁量でコントロールできる人件費は削る、つまり給料はできるだけ抑える、となりますよね。
低価格路線でいくと最終的に従業員に被害が出てくるわけです。
具体的にはすき家で話題になった「ワンオペ」(一人でお店を回すことによって一人分の人件費で済ませる)、または社員の給与を抑えるなどの方法です。
「社員の給与を抑える、とか大げさな」と思われる方もいるかもしれませんが、本日の日経新聞の紙面で某飲食の社長が「価格競争が続く中で社員の給与を大きく引き上げるのは現実的ではない」といった発言をしています。
さすがにここまで直接的に言うのはちょっと私も驚きましたが(笑)、実際に販売の構造を考えるとそういうものなのです。
これから先、飲食業界が低価格競争をどこかでストップしない限り、やはり飲食業の人材はどんどん流出していくのではないか、と思っています。
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