一旦退職を申し出てみたものの、数日考えた結果「やっぱり辞めない方がいいのでは…」と感じてしまったり、本来決まるはずだった転職先が決まらなくなってしまった、など退職を撤回したいことって結構出てきますよね。
一度「辞めます」と伝えているのでそれを撤回するのは非常にバツが悪いですが、今の自分の状況からすると恥を忍んでも申し出るのがベスト…そんな状況の時、実際に撤回はできるのか、まとめてみました。

パターン別に解説しましたので、撤回を考えている人の参考になれば幸いです。

口頭のみの場合

まず正式に書類(退職届)を通しておらず、上司に口頭で伝えたのみのケースから。
enのサイトに分かりやすい事例が掲載されていましたので紹介します。

もし社員の方から「会社を辞めます」と雇用契約の解約を一方的に通知してくるものであれば、これが会社に伝わった時点で効力が発生しますので、撤回に応じる必要はありません。しかし、「会社を辞めたいのでお願いします」と退職の承諾を求めてくるものであって、かつ、まだ会社(人事の決裁権を持つ人)が承諾し、それを本人に伝える前に撤回してきたのであれば、撤回に応じなければなりません。会社が承諾したことを本人に伝えた後であれば、撤回に応じる必要はありません。
退職の意思表示を示した社員の退職撤回希望に、応じる必要はありますか?(人事労務Q&A)|エン人事のミカタ by エンジャパン

かいつまんで言うと「会社内でどこまで話が進んでいるか」次第ですね。
後任の採用人事まで進んでいるような場合だと、あなたと会社の間で退職が「合意」していると判断されます。
特に会社として後任人事採用のためにお金を発生させてしまっているような場合は難しい
と考えましょう。

それでも許可を出してくれる会社も中にはあるかと思いますが、あなたが会社に残ることで余程のメリットを与えてくれると考えられた場合のみです。

騙しや強要の場合

自主的に退職させるために、何かしらの嘘の情報を伝えたり、退職の強要をしたりしている場合には撤回は可能です。
注意しなくてはいけないのは「嘘の情報を伝えられた」「強要をされた」などの物証が必要になることがあります。

口頭で言われるようなケースが一番難しいのですが、可能であれば録音したものがあるとより良いでしょう。
またメールがあるのであればメールの文面を証拠にしましょう。

ただこのような状況が起こる職場はかなりブラックなので、そこで仕事を続けていて大丈夫かなという懸念も個人的にはあったり…^^;

退職願と退職届

最後に「退職願」と「退職届」について。
まずこの2つの違いについて簡単に書くと…

  • 退職願:退職の意志を承認してもらうためのもの
  • 退職届:退職を正式に承認してもらうためのもの

「退職願」であれば「意志」だけなので撤回は可能と書いているサイトもありますが、会社がそれを受理し、認めてしまった場合には撤回が難しいです。
先程の口頭で伝えても「撤回不可」になるケースもあることからもわかりますよね。
退職の申し出を受けて、会社側では次の人員計画を早急に立てなくてはいけないので、「退職します」「やっぱり退職するのをやめます」というのを簡単には受理できないものなのです。

とはいえ、最終的にはあなたと会社との関係性次第。
もしどうしても、ということであればダメ元で聞いてみてもいいでしょう。