「ワタミ、新ブランド前面」というニュースがありました。
ワタミ、新ブランド前面 居酒屋、専門性高く 空揚げや鶏料理、「総合」の2割転換 :日本経済新聞
主軸の「和民」「わたみん家」を「ミライザカ」「三代目鳥メロ」に転換転換していくとのこと。
ワタミ社のIR情報にも詳しく掲載されていたので読んでみました。
詳細:ワタミ株式会社・第30期定時株主総会資料(PDF)
ワタミの客足は一時期に比べると上昇傾向にあり
ワタミと言うと「ブラック」的なイメージが強く一時期は不買運動なんかも起こっているのが話題になりましたが、客足自体は戻り傾向。
2015年度は10〜3月まで、11月を除き前年100%達成をしていますね(資料P21)。
訴求要素は価格訴求を中心に実施。(実は私も結構足を運んだりしています。結構美味しいです^^)
その一方で「若者の居酒屋離れ」という言葉もあるように、総合居酒屋の魅力が薄れてきていることも認識しているようで「専門料理を売りにする店」や「新しい居酒屋の業態」を模索する方向を目指しています。
そこで出てくるのが今回ニュースになっていた
- 和民→ミライザカ
- わたみん家→三代目鳥メロ
の2ブランドというわけですね。
新ブランド「ミライザカ」「三代目鳥メロ」はこんなお店
「ミライザカ」「三代目鳥メロ」についてもう少し探ってみましょう。
どちらも既に店舗として存在しているので実際にグルメサイトのページを見てみるとイメージをしやすそうです。
ミライザカ
従来の「和民」をこの「ミライザカ」に転換していく予定。
(コンセプト)
- 総合居酒屋のミライ
- ミライのイザカヤのあるべき姿を創造
(主力商品)
- みちのく清流若鶏の唐揚げ(各種価格あり)
- ハイボール(199円)
(店舗)※他にも何店舗かあり
ミライザカ 北千住店(北千住/居酒屋) | ホットペッパーグルメ
唐揚げを主力に押し出しているだけあって「モモ一本グローブ揚げ」「骨付きげんこつ唐揚げ」「手羽唐揚(旨ダレ・わさび)」の種類も豊富です。
三代目鳥メロ
「わたみん家」を「三代目鳥メロ」に転換予定。
(コンセプト)
「鳥料理でメロメロに」→「鳥メロ」
(主力商品)
岩手みちのく清流若鶏 モモ一本焼き
(店舗)※他にも何店舗かあり
三代目鳥メロ 国立南口店(国立/居酒屋) | ホットペッパーグルメ
こちらも主力は鳥料理。
「岩手みちのく清流若鶏」は「ミライザカ」と同じなのですが、鳥メロは「焼き」が中心です。
気になるワタミの労務状況
当サイトは仕事や働き方のサイトなので「唐揚げ美味しそう」「焼き鳥美味しそう!」では終わりません(笑)
ワタミグループで一番気になるのは、社員の労務状況。
実はIRに労務の改善状況もきちんと報告する仕組みができていました。
IRの12ページ目に「国内外食事業 労務改善状況」という資料があります。
抜粋してみましょう。
(2015年度の取り組み内容)
- アルバイト数雨の確保・戦力化
- 調理工程の効率化による負担減
- メンタルヘルスサポート
- 新入社員サポート
- コンプライアンス体制の強化
(新入社員離職率)
2014年度 1年目 9.6% 2年目 26.9%
2015年度 1年目 16.7%(残業時間/月)
2014年度 41.9時間
2015年度 36.7時間(公休/月)
公休取得平均
2014年度 6.8時間
2015年度 7.2時間
離職率が高まっているのは気になるところではありますが、労働環境の数値が徐々に良くなっているのは良さ気な感じです。
飲食業は自分自身の飲食業体験も含め(※ワタミ社ではありません)、厳しいと思うんですよね。
サービスを便利にすればするほどキツくなりますし、しかも価格訴求をしているので自然と人件費やら商品の原価やらも抑えなくてはいけなくなりますし。
こうした改善をしていくことで飮食で働きやすい環境というのができていけば、多くの人が幸せになるんじゃないかと。
ワタミに限らず飲食業は多くの企業で人手不足なのでこうした改善というのは常に心掛けて、ワタミ社のようにIR資料に掲載するなり、経営者が強く意識して行動するなりしないと、本当に将来がないと思っています。