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「ポケモンGO」面白いですよね。私もやっています。

ポケモンGOがリリースされてから話題になったのが日本マクドナルドとの提携です。
公式のIRでも出ていましたが、マクドナルドがゲーム内の「ジム」「ポケストップ」になるというもの。

いよいよ日本で公開、世界で話題のスマホゲームで国内のマクドナルド約2,900店舗が「ジム」と「ポケストップ」に!(マクドナルドIR)

2016年7月22日にポケモンGOがリリースされてからすぐにこの発表があったわけですが、実際に売上への影響はどうなったのか調べてみることにしました。

一部メディアの前評判は「客単価が下がる」などネガティブだった

このコラボについてはメディアによっては批判的に捉えているところもありました。
大まかに言うと…

  • ポケモン目当てでコーヒー一杯などで長居するお客さんが多くなり、普段利用している人が迷惑する
  • 単価の安いものを購入して長居することにより、客単価が下がり売上が減少する

こんな感じですね。
見ていると、もっともらしい気もしてきます。

ただ、実際にゲームをやっている人なら分かる通り「コーヒー一杯で長居」というのはそもそもが間違った発想です。

「ポケモンGO」をプレイしたことがない人に簡単に説明すると、今回マクドナルドがコラボしている「ジム」「ポケストップ」はゲーム内で次のようなものになります。

  • ジム:チーム別の陣取りの場所。自分の持っているポケモンをバトルさせられる
  • ポケストップ:近くに行く(厳密には近くにいって画面上のプレートを回す)とアイテムを獲得できる

実はこれ、仮にマクドナルドがどちらかになっていても長居をする理由にはあまりならないんです。

(ここから少しゲームの細かい話です ^^;)
もしマクドナルドが「ジム」だった場合、バトルをするために居座ることもあるかもしれませんがバトルをすることによりポケモンはHPを減らします。HPが減ると回復するためのアイテムが減るなどゲーム内の色々なものがともかく消耗していきます。もし連続でプレイしていたにしてもアイテムを消耗し続けながら居座ることは意外と難しいです。
それに陣取りに勝ってしまえば、特にマクドナルドに居座り続けることもないかと思います…。

仮にマクドナルドが「ポケストップ」だった場合でも、アイテムを獲得できるのは5分に1回。もちろん長居をすればアイテムはたくさん獲得できます。
ただ、長居してもそこまでレアなアイテムが出てくるわけでもないですし、コーヒー一杯買って粘るくらいであれば課金してアイテムを購入した方が同じ100円を使うにしても効率がいいです。

そして何よりも一番重要なのは「マクドナルドに入らなくても近くに行けばジムで戦えるし、ポケストップでアイテムを獲得できる」ということ。

ですので「コーヒー一杯で長居するお客さんが増えて問題」というのはちょっと話としてはズレているのかなあと感じます。
もちろん実際にはポケモンで長居をする人もたくさんいるのかもしれませんが。

実際の売上はどうだったのか?

長くなってしまいましたが、実際に売上はどうだったのか?というところで見るのが一番早いです。

2016年の8月4日に日本マクドナルドのIRから正式な売上レポートが出ているので見てみましょう。

前年同月比

  • 全店売上高:122.2%
  • 既存店売上高:126.6%
  • 客数:109.8%
  • 客単価:115.3%

日本マクドナルド「セールスレポート」より)

見事に売上・客数前年同月比(2015年7月比較)で上回っています。客単価についても上がっていますね。

2015年の業績があまり良くなかったこともあり、前年同月比で見て必ずしも全てがポケモンGO効果とは言えませんが、ポケモンGOリリース前にポケモンのハッピーセットを展開(7/15〜)するなど7月のポケモン効果は総合的にあったと言えるでしょう。
また6月の伸び率と比較すると売上などの伸び方は高くなっているのも、業績にいい影響を与えている証拠と言えるのではないかと。

マクドナルドの場合、今までハッピーセットなどで他業種とのコラボも多かった印象がありますが、他の業種でも今回のマクドナルド×ポケモンGOのように「場所」そのものが他の付加価値を産んでいって、業績に影響を与えていくということもあるのかもしれませんね。