「庄や」「やるき茶屋」などの店舗で有名な株式会社大庄がパート・アルバイトの時給与制度を刷新するというニュースがありました。
飲食の人材不足は深刻ですが、優秀な人材を確保するために給与制度を業務レベルに応じて能力給型に変更する取り組みです。
今日はこの制度について深堀りしていってみます。

時給アップの仕組み

業務区分とそのレベルに応じて時給をプラスオンする仕組み。
業務区分は以下の5つに分類されるようです。

1.サーバー・ランナー(商品の提供)
2.ウオッシャー(食器洗い)
3.ドリンク(飲料を作る)
4.デシャップ(調理と接客の調整)
5.レジ・アテンド(レジ)

一般的なホール・キッチンではなくその中でも更に細かく設定しているのが特徴ですね。
更にこれらの業務項目の中で数十種類の評価設定があります。
例えば「ドリンク」の部分で言うと
「ビールサーバーが使える」
「レシピを理解してしっかり作れる」
などが評価項目となっており、一つ一つの作業に細分化、明確化されています。

これらの5業務がすべて最高レベルになると時給上限は300円(!)になります。
さらにそこからレベルアップし、研修・面接を受けた後に店長の代理を務められるようになる「キャプテンクルー」の称号を獲得するとプラス200円が上乗せされます。

つまり一番最高の役職で最初の賃金から+500円になるわけです。
これはなかなか思い切った仕組みですね。

この制度のさらに面白いところは店舗異動や出戻りなどでも資格が有効なところです。
(出戻りについては半年以内)

主婦層でご主人が転勤になった、とか、一時的にアルバイトができなくなって退職したという状況でもこういった制度は使いやすいですね。

働く側として給与制度を確認すること

・・・と、ここまでなかなか「おもしろい制度」推しできたのですが、正直な感想を言うと「こういう給与制度なかったんだ」とw
※ちなみに私の働いていたところには全く同じではないものの、これに近い制度はありました。

大庄が今までどのような給与制度を取っていたのかというと「店長がアルバイトの勤務状況を判断して時給を上げていた」とのこと。なるほど。ものすごい店長の気分次第感が出ていますねw

ただまあ逆に「こういう能力制度が出来た」ということは少なくとも大庄グループは(今は)明確な判断基準を持って時給の算出をしていますよってこと。

今回のニュースで思ったのは、アルバイトの申し込みをして、面接を受ける際に給与制度に明確な基準があるのかどうかというのもきちんと聞いておかないといけないなということ。
入る前に、自分がきちんと納得できる制度なのかどうかを確認しましょう。