飲食店ならでは定期的に実施される検便。
私も飲食店の時に普通に定期的に実施していましたが、バイトによっては非常に短い周期で実施していたり、あるいは全然実施しない店舗だったりその方式が異なるようです。

一体、どのくらいの頻度で検便が実施されるのが正式なルールなのでしょうか。
検便にまつわる疑問を調査してみました。

検便は義務?

飲食業であれば検便は普通行われるものなのに、実際には行われるところと全く行われないところがあります。
その違いはどこから来ているのでしょうか。

調べてみると意外な事実がわかります。

食品衛生法等で検便が義務付けられていると思われがちですが、実はそういった一文はありません。

ただし、厚生労働省がサイトの「食品等事業者の衛生管理に関する情報」というページで「食中毒予防対策」として検便について提示しています。

食品等事業者の衛生管理に関する情報 |厚生労働省

(分類)
1.食品等事業者の衛生管理に関する情報
2.大量調理施設(学校、社会福祉施設等)の衛生管理に関する情報

飲食店については「1」に当たります。
そちら向けの「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)について(PDF)」を確認すると検便については以下のように掲載されています。

保健所から検便を受けるべき旨の指示があったときには、食品取扱者に検便を受けさせること。
(第3 食品取扱施設等における食品取扱者等の衛生管理)

これを読む限り、自治体の保健所の指導次第で変わってくるというところですね。
厚労省が基準を提出し、保健所に委任している形式です。

次に飲食店とは別施設の「学校、社会福祉施設」等向け「大量調理施設衛生管理マニュアル」に以下のように書かれています。
※なお、マニュアル内で「大量調理施設」の基準は「同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上を提供する施設」とされています。これだと当てはまる飲食店も結構多いような…

調理従事者等は臨時職員も含め、定期的な健康診断及び月に1回以上の検便を受けること。検便検査には、腸管出血性大腸菌の検査を含めること。 また、必要に応じ10月から3月にはノロウイルスの検査を含めること。
(調理従事者等の衛生管理)

学校などで問題が起こってしまうと深刻な事態になるため、こちらの方が厳しめです。

ただし、こちらについてもあくまで「マニュアル」で法的なものではありません。
厚労省はこういう基準を作ったので保健所はそれに沿って地域の飲食店に働きかけてね、ということです。

出さなくてもいいものなのか?

法的な縛りはないものの、「保健所から検便を受けるべき旨の指示があったときには、食品取扱者に検便を受けさせること」とあるので、店舗で出すように要請があったら出さなくてはいけません。
おそらく店長や会社の本部が保健所から要請を受けてそれを従業員に落としていることがほとんどでしょう。

ですのでアルバイトさんに通達が来る頃には「出さなくてはいけない」という状況になっています。

検便を軽視し提出を面倒に思う人も多いですが、検便をせずに万が一食中毒などを起こしてしまった場合には自分自身の問題だけでは済まなくなるのできちんと提出をしましょう。