パワハラが世間一般的に声高に叫ばれているような時代にも、残念なことに日常的に上司や上役の暴力が横行している会社はまだあります。そして悲しいのは、その環境に耐えてしまっている人もまた多いという現実。
結論から言うと、今すぐそんな会社は辞めてしまったほうがいいです。
鉄拳制裁だけじゃない暴力の範囲
「暴力」と言うと「頭を殴られた」「腹を殴られた」「平手打ちを食らった」といった類の行動を思い浮かべてしまいますが、「ペンを投げられた」「本を投げられた」なども暴力の一種です。
「痛い」「痛くない」、「外傷がある」「外傷がない」といったような問題ではありません。
暴力を振るわれた時の対処法
上司がそうした暴力をしているのに周囲の人間が見て見ぬふりをしているのであれば、明らかなブラック会社です。
暴力は「傷害罪」に当たる立派な犯罪で、絶対にあってはいけないことです。
また注意しなくてはいけないこととしては仕返しをすると自分も暴力を振るったことになり、自分自身も犯罪を犯している可能性もあるのでその点は十分に注意しましょう。
暴力を振るわれた場合にはまず次のような対処をしてください。
- 身体に何かしらのダメージがあるような場合には病院に行って診断書をもらう(日常的に行われているような場合は、普段から状況をできるだけ詳細にメモしておく)
- 明らかに外傷があるのであれば診断書を持った上で警察に相談
- 社内に人事部やパワハラのホットラインなど相談できる部署があるのであれば相談する
- 社内に相談できないような問題であれば各地域の労働局に相談
診断書が発行してもらえるような状況であれば診断書を持った上で相談するのがベストです。
もしこうした物証がない場合には人事やホットラインなどの社内ネットワークに直接相談、難しければ地域の労働局に相談、といった具合です。社内に相談できる人がいなくても、社外には相談できる人がいるというのは覚えておきましょう。
「怖くて相談できない」という人も中にはいますが、行動をしないと上司はつけあがってこれから先もずっと同じようなことを続けてきます。ともかく、今の自分の環境を改善すべく行動です。
また何とかして上司に復讐したい、自分の不快感を思い知らせてやりたいという気持ちの人もいるでしょう。
ですが、復讐を何かしらの方法でしてしまうと、お互い恨みの応戦になってしまい、精神的に消耗しますし、何よりも気分が暗い方向に進んでいき、自分の人生が暗くなってしまいます。
それでもどうしても許せない、というような場合には弁護士などの専門家に相談してみて慰謝料を取るなど現実的で合法な方法を考えてみましょう。(ただ訴えるにしても思っている以上に体力は使うものなのであまりおすすめしません…)
自分の心が折れる前に転職(退職)することが優先
もし暴力を振るってきた上司が本当は良い人で、その時はたまたまカッとなって暴力を振るってきてしまった、今後はしないとのことで、今後一緒に仕事をすることはそんなに苦ではない、……という場合には問題解決後、普通に同じ職場で働いてもいいのかもしれません。
ただほとんどのケースでそれはありえないでしょう。
おそらく以下のいずれかのパターンに収束していくはずです。
- 会社ぐるみで事件(暴力)をなかったことにしようとする
- 上司が全く反省しない・行動も変わらない
- 暴力は振るわなくなったものの精神的な嫌がらせをしてくるようになった
上司が暴力を振るってきた時点でその会社で働くのは辞めていいでしょう。
※上司が退職に追い込まれたというような場合には別かもしれませんが、そういったケースは意外とレアなものです。
まず今の自分自身の身を守るために相談をして、同時に転職活動してしまった方がいいです。なによりもそんな職場にいることが人生の時間の無駄です。
一番理想的な形は転職先が決まってから退職届を出すことですが、前述のように精神的な苦痛が社内で続いてつらい、というような場合には退職を先にするという方法もありかなと思います。自分の人生を最優先に考えましょう。