すき家を運営しているゼンショーが2014年4月〜12月の連結決算最終損益が25億ということを発表しました。

2015年2月10日に四半期報告書が公表されています。

第33期 第3四半期報告書
http://www.zensho.co.jp/jp/ir/pdf/15.3.3Q.pdf

元々通期で赤字になることは予想されていましたが、半期で既に大きく赤字になっています。
ネットだと「ワンオペ廃止したからだ」と声高に叫ばれていますが、実際にどうなのか決算書を簡単に読んでみることにしました。

売上と営業利益

実はグループでの売上高は前年同月比で6.3%上がっています。
ところが営業利益になると前年同月比-65.9%となり、大幅に減っています。

売上の内訳は以下の通り
・牛丼カテゴリ:1313億6900万円(前年同月比-2.7%
・レストランカテゴリ:1139億5000万円(前年同月比+1.4%
・ファーストフードカテゴリ:784億700万円(前年同月比+29.1%
・その他カテゴリ:206億9700万円(前年同月比+29.9%
・小売事業:389億8400万円(前年同月比+64.6%

こうしてみるとやはり牛丼カテゴリの売上は落ちています。その他は規模の大小があるものの実は比較的好調だったりもするのですね。

牛丼カテゴリの(おそらく)ネガティブ要因

原価や販管費についてはカテゴリ別に大枠でしか語られていないので、書いてあることしか推測できないのですがまず収益面の概要。

・「すき家」における一時的な営業停止の影響
以前書いたこちらのことでしょう→「ゼンショー「すき家本部」へ社名変更。深夜営業も1,100店舗で休止。
Webで騒がれているワンオペ廃止の件はここですね。

・牛肉価格をはじめとする食材価格および電気料金の上昇等
これは同業他社(吉野家や松屋など)で安売りを撤回しているところが多いです。

・採用および教育の強化(「牛丼カテゴリ」で言及)
ここで人件費が結構掛かることになります。販管費に含まれてるはず。間接的にワンオペ廃止が関連しています。

・店舗閉鎖損失
財務のところに掲載されています。読んで字のごとく店舗閉鎖によるものなのでしょう。

まとめ

ざっと見てもワンオペを廃止としたことが大きく影響を受けている感じですね。
さらにその上に牛肉価格の原価高騰などがあり、現場としても相当な混乱があったのではないでしょうか。

ただ私はこの状況を極端にネガディブな状況と捉えておらず、業界に溜まっている「膿み」を出すような作業だと思っています。
正直なところ、労働環境問題については飲食業の他の会社でもできていないところは非常に多いはず。

以前も書きましたが、今痛みを伴っていることにより将来的には飲食で労働環境をきちんとできる先駆けになれると思っているのでぜひとも奮闘してもらいたいと思っています。