トヨタ自動車が「工場勤務の技能職に限定して夜勤のみの勤務制度」を検討しているというニュースがありました。
各業界、人手不足が叫ばれている中でこうした働き方に対しての柔軟な姿勢は素晴らしいですね。
このニュースの概要と、メリット・デメリットについて考えてみました。
ニュースの概要
ニュースの概要はざっくりいうと以下のようなものです。
- 技能職社員を対象に働く時間を(3ヶ月以内に限定して)夜のみにする制度を検討
- 希望者のみを対象
- 夜勤社員には時間外手当を支払う
元々は2013年に同社が子育てをする人向けに「昼勤のみ」の制度を導入したことが発端。
この制度を導入した結果、昼勤の社員に偏ってしまいバランスが悪くなってしまったことから今回の「夜勤のみ」の導入を図っています。
「昼勤の社員に偏ってしまった」ということは、逆に言うと昼勤のみの制度は従業員にかなり活用されているということでもありますね。
会社と労働者のメリット・デメリット
ここで会社と労働者側のメリット・デメリットについて考えてみます。
まず会社側のメリットとしては、昼夜バランスよく社員を配置できる可能性が高まるということですね。
固定で夜のみの社員が増えればシフトの調整などの手間も大幅に省けます。
デメリットとしては「時間外手当」部分の人件費です。
時間外手当が通常の深夜手当を指すのか、それ以外の別手当を指すのか不明瞭ですが、後者だった場合には費用が多く掛かるということになります。
逆に労働者側からの視点で見てみましょう。
メリットは「家庭の都合でできるだけ夜に働きたい」という人に使いやすいということ、あとは「できるだけ多く稼ぎたい」という人にも使いやすそうです。
デメリットは現状特になさそうに思えます。
夜勤の一番の懸念点としては健康上の問題になりますが、前述の通り「3ヶ月以内に限定」という縛りがあり会社側で配慮されていますし、会社側から強制的に夜勤限定にされるわけでもありません。
希望性ということを考慮すると労働者視点では特段デメリットがなさそうです。
表でまとめてみます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
会社 |
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労働者 |
|
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会社は人に合わせる働き方が求められる
このような、会社が「働く人」に合わせて労働環境を変化させていくのはいいですね。
今回のケースで言うと介護などで「日中はデイサービスを利用して、夜は家に(自分以外に)誰かいる」といった家庭では利用しやすいのかもしれません。
会社の生産性を高めて、かつ従業員満足を高めていくようなこうした施策には大賛成です。大手企業がこうした動きを見せてくれることによりほかの会社も後に続きやすくなりますし。
「人手不足」と言われる会社の多くも「働く人に合わせる」やり方の幅をもっと増やしていくべきなのではないでしょうか。